税理士はややこしい

・税理士試験は、年1回(例年は8月)実施されます。

試験科目は、会計学に属する科目(簿記論及び財務諸表論)の2科目(必修)と、税法に属する科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)のうち受験者の選択する3科目(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択)です。


公認会計士

短答式試験の試験科目は、財務会計論、管理会計論、監査論及び企業法の4科目です。

論文式試験は、会計学、監査論、租税法、企業法及び選択科目(経営学、経済学、民法、統計学のうち、受験者があらかじめ選択する1科目)の5科目です。


弁護士

短答式試験 憲法、民法、刑法

論文式試験

公法系科目 (憲法及び行政法に関する分野の科目)

民事系科目 (民法、商法及び民事訴訟法に関する分野の科目)

刑事系科目 (刑法及び刑事訴訟法に関する分野の科目)

選択科目  (倒産法、租税法、経済法、知的財産法、労働法、環境法、国際関係法〔公法系〕、国際関係法〔私法系〕から1科目選択)



税理士は他の士業に比べてどうなのかな?誤解を与えやすい。

皆さんはもしかして、次のように誤解してませんか?

「税理士は税理士試験合格している」

「税理士は全員 法人税法、所得税法、相続税法、消費税法の試験を受けている」と思っていませんか?それは間違えです。試験合格は4割ほどしかいません。他の士業に比べて色々なルートで税理士になれます。また、もし試験合格者だったとしても、固定資産税、酒税、国税徴収法、事業税、住民税等でも合格することが可能です。


そもそも皆様は国家資格を保有するのには、国家試験を受けるものだと思っていませんか?また、国家試験が科目選択できることを知っていますか?https://www.nichizeiren.or.jp/wp-content/uploads/doc/prospects/whats_zeirishi/book02/origin/page-0017.pdf

税理士試験科目は選択制です。

簿記論・財務諸表論・所得税法・固定資産税・酒税法

という選択でも合格できます。なぜこのような科目選択をするかというと、簡単だからです。テキストが薄いからです。(とはいえテキストが薄い科目の合格が簡単ではありません。高得点の争いとなるからです。固定資産税合格者はうちには何人もいましたが、税理士としてその知識を使う人は今のところ見たことがありません。)

税理士は他の士業に比べて特別にややこしい資格です。

医師 試験合格のみ

弁護士 試験合格又は検察事務官から特任検事になる・・・少しややこしい

公認会計士 公認会計士試験合格のみ

技術士 試験合格のみ

不動産鑑定士 試験合格のみ

弁理士 試験合格、弁護士又は特許庁において審判又審査に所定期間以上従事している者・・・少しややこしい

社会保険労務士 試験合格、弁護士・・・少しややこしい

税理士・・・特にややこしい。

税理士法3条

一 税理士試験に合格した者

二 第六条に定める試験科目の全部について、第七条又は第八条の規定により税理士試験を免除された者

三 弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む。)

四 公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む。)

弁護士、公認会計士など税理士法制定前からある資格

税務署退官者、大学院を出た人等が税理士資格を持っています。弁護士+税理士は一人しか知りません(ただし、この人は弁護士試験、税理士試験合格者でした。)その代わり、公認会計士、大学院卒、税務署退官者が大勢税理士登録しています。登録してしまうと見分けることは難しいですが、見分ける方法は簡単です。本人に聞けばよいのです。医師は試験合格者しかいませんから出身大学を気にしても良いですが、税理士の出身大学聞く前に「どうやって税理士になったか?」気になりませんか?