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回答をいくつか用意する事
納税は公平公正が目的です。しかし答え(納税額)は一つではありません。
同じ儲けなら同じ税金と言うようには作られていません。その証拠に
税理士試験では「やり方が2以上あったら税金が安い方を選べ 」と書いてあります。
いくつか考えられる税金うちの最安値で回答するルールがあるので、言い換えれば他にも答え(納税額)があります。一般的に税理士さんは6パターンくらい納税額を用意しています。その中から今の状況に合う適切な納税額を提示します。
「正解は一つでそれ以外は悪」でもありません。しかし正解が一つしかないと思っている人が多いのは事実です。というより正解が多数ある=不公平と思ってるのでしょうか?。
なぜこういう勘違いが起こるのか?税金=公平公正=一種類の税額・・・という解釈でしょうか?
税金の金額は何通りかある
納税額は何通りかあり選ぶことになる
「いやいや給与所得だから誰が計算しても一緒でしょ?」と言いますが、親や子供を誰の扶養控除にするかだけでも選択肢があります。
所得の大小も選べるし、税率の大小も選べます。
・収益計上基準を選ぶことで確実に税額が変わります。締切日通達を使うことで確実に課税される所得は変わります。今は「納税額には二つ以上の答えがある」とぼんやり理解してくれたらいいです。
・二つ以上の答え(納税額)がある事が理解できたら今回は所得が多い方で申告するか、少ない方で申告するか。選べることになります。
所得の大小選べるのは何とか理解したとして、税率の高低って何?と更に疑問が湧いてしまいます。
ここには所得の種類と税額控除が関係します。
法人であれば課税所得800万円以下と課税所得800万円超では12%ほど税率が違い、
個人であれば、所得を10種類に分類し、所得の種類によって税率を変化させています。
法人の高税率で課税するか、法人の低税率で課税するか
個人のどの所得で課税するか。
選択するのが確定申告です。
ところが、税金は決まった額を支払うものと思っている人が多い。根深い問題です。
簡単な質問なのですが、公平、公正を目指す税金は計算式で決まってるので同じ金額を支払っていると思っていませんか?その考え方が根深い問題と思っています。(勝手な思い込みで税金が「取られる」と発言するのならそれはさらに問題です。納税はかなり自由選択で決まるのです。センター試験を得意科目で受けるのと同じです。)
税金が変わる場面
①ある現象、例えば売上と経費があったとして、誰の所得にするか。例えば個人事業でやるのか、法人でやるのかで、トータルの税金は変わります。誰が納税してどこにお金を残すかを考えることで結果として納税額は変わります。トータルの納税額で選ぶかお金の残し方で選ぶか「選択」ができます。
②設備投資をしたときに 特別償却(今年の税金は安いが、複数年で見れば普通)を選ぶか 税額控除)今年の税金は普通だが複数年で見れば明らかに特別償却より得)を選ぶか、単年で考えるか複数年で考えるか「選択」をすることができます。
③所得税は所得を10種類に分類し、法人も所得金額が0〜800万円までは税率23%くらいですが、800万円を超えると40%くらいに代わります。
会計は結構クリエイティブ
公平公正はとても分かりやすいです。なんと小学2年生で習う漢字のようです。
しかし、税の公平公正というと本当の意味は深いです。
税の公平公正というと
①所得の低い人は安い税金で、所得の高い人は高い税金を支払うという意味の公平公正
②所得が同じであれば同じ税金を支払うという公平公正
と、理解していませんか。半分は合っていますが半分は間違えています。
税理士試験問題にはある特徴があります。①「やり方が2以上あったら税金が安い方を選べ」と試験問題に書いてあります。この国家試験は税金が高いと不合格になります。
つまり、余程でない限り、税額は一種類ではないです。②そしてもう一つ驚くべきことが起きます。翌年勉強している頭の良い受験生からもっと税金が安くなるアイディアが出てきます。つまり「税金は頭が良いと下がる」のです。脱税ではないです。正解です。
私はこう考えます
納税額は人それぞれ。同じ所得でも納税に幅がある。これでは公平公正ではないのですが、あまりに幅広くて、もはや何が公平公正か定義することが難しいので、①法律(ルール)は一つ②納得して納税するというルールも一つと。いう公平公正なのではないか。
③納得の仕方は人それぞれなので、納税額に幅があるのは③のせいで、①②ではない。
まとめると税の公平公正とは、
A所得の低い人は安い税金で、所得の高い人は高い税金を支払うという意味の公平公正
B所得が同じであれば頑張った(国の制度に則った)人の税金は安く、さぼった人の税金は高いという意味の公平公正なのではないか。
別の考えなのですが、「正解は一つ」という言葉が独り歩きしてないか?
耳障りは良いですが、正解は一つのわけありません。
「君だけに」と歌っていた少年隊の一人は離婚しましたが、結婚相手に正解が一つなわけありません。もともと世の中の正解は沢山あります。回答が一つということはまだ思案が足りないですが、これも人それぞれの考えです。親の決めた人と結婚することが普通だった時代はあったのですからね。